2000年05月号 掲載
ペルー・アマゾニア紀行 2
関 洋人 (大洲市在住)
空港から市のセントロに近いホテルに向かう。乗り物はモトカーロ。後部が数人ほど乗れるようにしてある、改造三輪オートーバイだ。多少、音はうるさいが、熱帯の風が心地よく全身を包み結構いい気持ちだ。
ホテルに到着すると、建物に入る前に一人の男がいきなりチグレ(ジャガー)の皮を買わないかと話し掛けてきた。ペルーでは捕獲禁止ではないのだろうか。二十ドルだという。相手にせずにフロントに行き、チェックインを済ませる。ところが、最初に案内された部屋は、窓の外がすぐ塀で外光が一切入ってこない。その上、エアコンが壊れていて、天井からぶらさがった裸電球も切れていた。あまりのことに、文句を言うとすぐに部屋を取りかえてくれた。設備は悪いが従業員の態度はよい。
フロントでイキトスではただ一つの観光資源であるセルバ(ジャングル)への日帰りツアーについて訪ねた。するとフロンとの男はすぐ隣の旅行社に行き社長の王さんという中国人を連れてきてくれた。一人一日昼食付きで五十ドルということらしい。ついでにフロントで汚れ物の洗濯を頼んだ。男はいやな顔一つせず、こちらが恥じ入るほど汚れた下着を、一枚一枚スーパーのビニール袋からつまみ出して枚数をチェックしながら、夜はすぐ近くのディスコに行けとしきりにすすめてくれた。 そのディスコは一人の男性に女性が八人くらいよってくるのだそうだ。なぜだろう。なんでもイキトスの人口四十万人のうち三分の二が女性だという。原因はいったい何だ?と誰に聞いても一向に要領を得ない。ほとんどの人が「天候のせいだろう」と言って笑ってごまかす。なかなか不思議なジャングルの町である。
(つづく)
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