2009年11月号 掲載
第 115 回 幸せになるパン
シェ・ムワ
高知県高岡郡梼原町松原401番地
定休日:毎週月曜日&第5日曜日
電話/FAX 0889-40-2727 メール:shez_moi@yahoo.co.jp
営業時間:午前7時から午後7時まで(12月~2月までは午後6時閉店)
店内
日吉村から旧道で
自転車で、日吉村から国道197号の旧道をたどりながら高研山のトンネルまで登り、長いトンネルを抜けて久しぶりに檮原町の田所商店に出かけた。ほうじ茶と抹茶を買った帰り道、天気がいいので、ふと思いついて途中から檮原川にそって土佐大正まで走り、土佐大正からは、自転車をたたんで予土線に乗り、車窓から四万十川の風景を楽しむことにした。新しいトンネルが出来て、道幅が広がっていてるところもあるが、ほとんどが一車線の狭い道で、10年以上も前に通った時と変らず、山が迫った美しい谷川の風景が続く。文殊さまのある佐渡の集落を過ぎ、蛇行する道を下り、ダムを過ぎ、しばらくして大きな橋を渡ると広い道に出る。中平トンネルを過ぎると檮原町松原。檮原の中心部から30キロ弱。左手に茶堂があり、脇に春分峠に続く道に入る小さな橋があった。茶堂の横が小さな広場のようになって木のテーブルとベンチがあり、その向こうに青い色の小さな山小屋風の建物が見えた。
大正方向からの外観
入口、左手に松原の茶堂が見える
フランスパン
帰りは土佐大正から予土線で。
パン屋さんのようだ。菓子パンでも買って食べようと思って自転車を止め中に入った。清潔な木の香りとパンの香ばしい匂いが立ちこめている。見回すと、フランスパンのいろいろや食パンもある本格的な品揃いで、奥にはこじんまりとした、お茶が飲めるスペースもあった。早速、フランスパンのあんパンを一つ買って、紅茶を頼んだ。大汗をかいていたせいか、店の人が「アイスも出来ますよ」と親切な声をかけてくれる。フランスパンのあんパンをかじって、驚いた。おいしいのだ。歯ごたえのある生地で、噛むとパンの美味しさがじんわりと口にひろがってくる。すぐに立って、クロワッサンとか栗アンパンなどの菓子パンも食べてみた。作る人の気持が伝わってくる味で、思わず気持が和らぎ、幸せな気分になった。しばらくして出てきた、紅茶もきちんとした味だった。あまり美味しかったので、家人にも食べさせてみようと思い、リュックに入るだけ、ほんの少しのパンを買って店を出た。
それから、車で何度か訪れ、パン・ド・ミーだとか、バケットやバタール、クロワッサンなども買ってみた。お年寄の食べやすい柔らかいパンの品ぞろいも充実している。
パンづくりの細かいことは分からないが、最近こんなに温かい味わいで、毎日の繰り返しに耐える飽きの来ない質実な味わいを持ったパンに出会ったことはない。友人にもいろいろ食べさせてみたが皆喜んだ。
檮原町総合庁舎 隈研吾・村上周二設計。観光資料・地図などがある
佐渡の文殊さま
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