内子町でハーブを栽培されている仙波さんに特別にいただいたハーブをつかってハーブ料理の名手、卯之町駅前のレストラン「ステーション」の横手さんに腕を揮ってもらった。イサギの香草焼き。旬のイサギにしっかり塩をして、腹にタイムのみじん切りとニンニク一片をつぶして詰め、パン粉とオリーブオイル、タイムのみじん切りをまぜあわせたのをイサギの表面にまぶし付けてオーブンで焼く。約十五分で出来上がり。バジルを使ったヒラメのワイン蒸し、ディルを使った鰺のマリネ、ローズマリーを使った鶏の香草焼き、さらにバジリコとジェノヴェーゼのスパゲッティ。
　横手さんは、ハーブを前面に押し立てたメニューはまだ当地では完全な市民権を得ていないと見ている。だからふだんのメニューではそれほどハーブを強調はしないそうだ。しかし、事前に予約さえしてもらえれば得意の香草料理を盛り込んだコースメニューをつくることはできるという。ぜひ一度お試しいただきたい。横手さんの料理を味わえば、香草料理は決して風変わりな気取った料理ではなく、元気の源泉になるとても美味しいものだということがわかると思う。