2002年02月号 掲載
身近にある近代化遺産
昨秋上梓された、増田彰久著「近代化遺産を歩く」に触発され身近にある現役の「近代化遺産」を訪ねてみた。
伊予鉄道道後温泉駅
駅は、明治44年開業。この駅舎は明治建築といわれ移築説もある。建築年代は不詳だが、大正時代の写真にはすでに姿がある。昭和61年に改築。
愛媛県立果樹試験場南伊予分場
北宇和郡吉田町にある。昭和8年、不況の最中に建設。当時の地元玉津村は村有林を売却して土地購入費を負担し、建設の労働奉仕を行うなど熱烈な協力を展開した。高品質果実生産と生産者育成の中核施設。
松山地方気象台
松山市北持田町 竣工昭和3年4月8日鉄筋コンクリート造3階建 設計愛媛県技師 戸村秀雄。
施工者は階段踊場上部に埋め込まれた大理石銘板にローマ字で内子町のT.TOYAMAと刻まれている。
豊稔池(ほうねんいけ)ダム
香川県大野原町 起工/大正15年3月27日 竣工/昭和4年11月30日 設計指導/ 佐野藤次郎
貯水1,593,000平方メートル。長さ128メートル。高さ30.5メートル。国の登録有形文化財。
6本の胸壁を成す柱の間の空間が深いアーチを描いている。佐野藤次郎は日本初の重力式コンクリートダムも手掛けたダム設計の第一人者だった。総勢923名の地元農民が工事で働き、無事故、3年8ヶ月の早さで完成させた。
旧土砂吐樋門
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