第04回
 上槙への道
 
 

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- 右ささやま道の古い道標がある御内から上槙への道 -

 13年前に初めて旧津島町の上槙を車で訪ねた。城辺の山出温泉から篠山の麓の美しい集落僧都を通り、小岩道の峠道を登った。峠を降りたところが上槙だった。美しい田圃が広がる村の入口に美しい木造校舎が見えた。廃校になった上槙小学校だった。(伊予細見 第4回参照)明治初め、上槙の竜華寺で開墾に入った宇和島藩士九鬼正一が開いた寺子屋の取材をした。その時にお話を聴いた正一の孫、九鬼一馬さんはすでに亡くなられ、九鬼家のお墓は大阪の息子さんの所に移った。次は、獅子文六の『てんやわんや』のイノシシの子、瓜坊の丸焼き料理を調べた時に、津島町の御内から篠山の麓を松田川の清冽な谷川に沿って下槇、槇川、谷郷などの集落を経て出かけた。(伊予細見 第68回参照

- 上槙の田圃も圃場整備がされた -


- 明治初め宇和島藩士九鬼正一が寺子屋を開いた竜華寺 -



- 松田川の渓谷沿いに美しい棚田がある -


- 上槙小学校跡 -



- 九鬼家前を通る巡検使街道 -

 このところ、自転車で上槙に出かける。ある時は、熱田温泉に車を置き、津島町の高田から宿毛街道に入り、途中で右に折れて、増穂から急坂を登って標高約570メートルの峠を越えて上槙に出る。上槙から帰りは松田川の谷筋を御内に下り、宿毛街道を通って熱田温泉に下る。逆に、イノシシ料理の時のように、最初に宿毛街道をまっすぐ御内に上がり、松田川沿いに上槙に上がるときもある。(ルートを見る
 登り下りの長短緩急に多少の違いはあるが、増穂から上がっても、御内から川沿いに行っても、風景に変化があって、車の通行も少なく、自転車には最適の道である。さらに、熱田温泉から上畑地まで国道を下り緑滝温泉の前を通って峠を越える道。(ルートを見る)、あとは、少し長距離になるが、城辺まで国道56号を下り、山出温泉から僧都を経て、小岩道の峠を越える道もある。(ルートを見る


- 増穂 -

- 増穂から登ると不思議なカラオケ温泉がある -


- 温泉へはここを下る -


- 増穂からの峠の頂上から宇和島方向 -

- 緑滝温泉の柴犬ミハルちゃん -


- 緑滝温泉の猫 -

 津島町のこの辺りは古い巡検使街道や遍路道が通っていて、篠山への登山道もあり、上槙への道も多くの選択ができる。
 先日は緑滝温泉から上がった。温泉は休業していておばあさんの姿が見えなかったが、何年か前に会った柴犬のミハルちゃんと猫が一匹健在だった。峠は葛折れで、自転車でのんびり上がるのには最適だった。頂上には大日如来の石仏があり、そこを下ると増穂からの道と一緒になる。
御内からの道も棄て難い。渓谷沿いの棚田の美しさ。篠山への歴史のある道で、古い石の道標があり、槙川のお日切様には、昔、巡錫して当地を訪れた若い僧が村人のために住み着いてついに一生を終わったという説明がある墓碑があった。上槙からは小岩道の峠を登り僧都に下って海の風景を楽しみながら国道56号を帰ってくるという手もある。さらに途中の分岐から頑張って篠山の登山道に上り、篠山から笹平のキャンプ場に下り、出井の美しい渓谷を楽しみながら宿毛街道を引き返すということもできる。夏も涼しいし、春も秋もいい。冬も無論いいが、雨や雪が降る日だけは避けた方が無難だろう。(ルートを見る
 登りが比較的楽なコースは御内からのコースだ。小岩道の登りは、上槙から越える方が穏当。比較的下りが長い。高田から増穂を通って上がる道は急坂が続くが距離としては近い。どの道を選んでも中高年で重く、バイク歴の浅い私が、それほどには、苦しまずに登ることのできる道である。

 

- 上畑地からの九十九折りの県道286号 -


- 小岩道の峠の分岐から篠山の登山道へ -
僧都の谷筋


- 県道286号沿いの山中の棚田 -


- 下畑地からの峠の頂上、大日如来の石仏がある -


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