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- 高梁川の取水口 -
- 用水に面したカフェで -
- ランチ -
- デザート -
その3 酒津
私にとって、倉敷西郊の酒津との出会いは、倉敷で暮して、ほんとうによかったと思ったことのひとつである。高梁川からの取水樋門や、かつての高梁川の流れをつけかえて水門で閉ざした用水池の佇まい、プラタナスの巨木や、桜並木のある堤防、爽やかな音をたてて流れる用水の美しさ、緑影の濃い広大な傾斜地にある大原別邸の無為村荘、美しい倉のある宏壮な農家の建物など、四季を通じて
散策の場所に恵まれた所である。一帯が公園となり、スポーツ施設もあり、日々、多くの市民が訪れているが、落ち着いた別天地の雰囲気が喧騒でそがれる気配は少しもない。とてもいい公園だと思う。かつては、桜の季節になると、伯備線に臨時の駅舎が出来るほどの花見の名所で、水辺に小さなホテルが建っていたこともあると聞いた。今はその賑わいも消え、用水池にあったという貸ボートの店もない。この十年ほどで、急に宅地化が進み、風致がいささか損なわれたそうだが、それは何処も同じである。用水に面した高台には、木々に隠れるようにして建つカフェもある。倉敷堤窯や酒津焼の登窯もある。自転車でゆっくり走ってきて、しばらく酒津でのんびりした後、西阿知の遍照院の塔を見て花むしろの工房をたずねたり、用水にそって祐安の田圃の中を通り、浅原峠を越えて吉備の国分寺の塔を見て帰ったこともある。逆に、高梁川を越えて御影石で組まれた「舟通しの閘門」を見たり、玉島の街並みを訪ねたこともあった。倉敷を訪ねてくれた友人は、先ず、酒津に連れて行く。美観地区や周辺の本町や東町もいいが、それも、酒津があってこそという気がするのである。
- かつては本流が淵を為した無為村荘下の用水 -
- 堤窯 -
- 公園の紅葉を始めた隗の木 -
- 無為村荘周辺 -
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